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2021.06.23 [wed]

イタリアのことわざで人間を学ぶ

イタリアの人はとてもオープンなイメージがあります。

前向きでかつ、積極性のある人間性がとても印象深く感じますよね。

そういった人間性を表すイタリアのことわざをご紹介します。

“人”に重きを置くイタリアならではのことわざ

ことわざとは本来、簡潔にした伝文であり人間としての教訓を残していくものとして各国で引き継がれているものでもあります。

日本でももちろんことわざはありますが、基本的に「人との付き合い方」を「失礼のないように」といった面でとらえたものが多いです。

ではイタリアのことわざはどういったポイントに焦点をあてているのか。

とても「イタリアのイメージ」に近いものがありますが、好意のもてることわざばかりですのでぜひとも覚えておきましょう。

美しいものは必ずしも美しくなく、好きなものこそが美しい

「Non è bello ciò che è bello, ma è bello ciò che piace」

評判や他の人の意見などよりも、自分の好みに正直になれということわざです。

自分が愛している人こそが最も美しいんだという、ストレートな愛情が伝わります。

幸せを知るのに、人は若すぎることもなければ、老いすぎていることもない

「Mai si è troppo giovani o troppo vecchi per la conoscenza della felicità」

何才だろうと恋はできる。

というイタリアのオープンな恋愛思想を後押しする、前向きなことわざです。

恋をすることそのものを人間に限らずあらゆる分野に広げて考えてみればこれ以上なく前向きな言葉ですよね。

友に巡り会えた人は宝を手に入れたのと同じ

「Chi trova un amico trova un tesoro」

人そのものを大事にしている考え方がとてもストレートに伝わることわざですね。

友人を大事にすることを大切に伝えていこうとする意志を尊重していることがよく伝わります。

約束を守れば友情は長い

「Patti chiari amici cari」

とても興味深いことわざでもありますが、聞くところによるとイタリア人は少々時間にルーズな人も多いとのこと。

そういった面でも約束を守ったほうが良いよという教訓が含まれているようです。

それっぽいなぁと思いつつも、ほっこりとすることわざでもあります。

心までは命令できない

「Al cuore non si comanda」  

命令で人の心まで動かすことはできないよ、という格言でもあります。

自分の思い通りに人を動かそうとしても心が動かなければ、という自分を戒める観点から”人を尊重すること”を大事にすべきだということわざを残しています。

戒めるための”観点”が非常にイタリアらしいことわざですね。

苦笑いしてしまうことわざ

ここまでは人を大事にして、心を動かす前向きなことわざばかりでした。

しかし、実は前向きではない独特なことわざもあります。

酒とタバコと女は男を破滅させる

「Bacco, tabacco e Venere riducono l’uomo in cenere 」

嗜好品や女性にのめりこむと男性が破滅するという恋愛が盛んであるイタリアならではのことわざです。

何事も程々にしましょうねというアドバイスが見え隠れします。

女は災い

「Chi dice donna dice danno」

オープンな恋愛思考と、きれいな女性のいる国ならではのことわざとも言えます。

余程痛い目を見てしまった男性が生み出したのだろうということが伺えますね。

手前勝手に動いた際に、たまたま女性がきっかけとなれば出てきそうな言葉でもありますが、あまり常用をすることはないでしょう。

悪い友とつき合うより孤独の方がまし

「Meglio soli che male accompagnati」

寂しくても信用することもできないような悪い人とつき合うくらいなら、孤独でいたほうがましであるということわざです。

こちらも、これまでの”人を尊重する”ことわざとは真逆の”自分を大事にする”ことわざです。

ただし、何もおかしなことはなく「人を見る目が大事である」という点については本当に芯の通ったことわざでもあります。

世界でも有名なことわざ

世界でも有名になっている格言・ことわざがありますので、そちらもご紹介します。

恐らくは聞いたことがあるものばかりなのではないでしょうか。

ナポリを見て死ね

「Vedi Napoli, e poi muori!」

死ぬまでに一度は世界一美しい街、ナポリを見るべきというわかりやすいことわざですね。

軽々しく死のうとするなとも捉えられる名言です。

こちらはドイツを代表する文豪ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテがイタリアに2年滞在した際残した言葉です。

ローマは1日にしてならず

「Roma non fu fatta in un giorno」

地道な努力や積み重ねなくして大成はしないという、超有名なことわざです。

何度も聞いたことがあるという人は恐らく世界中にいるのではないでしょうか。

実際の出典はフランスの古文書であるとのことより、”イタリアのことわざ”としては少々外れてしまいますがとても含蓄のある一言ですね。

すべての道はローマに通じる

「Tutte le strade conducono (portano) a Roma」

手段や方法などが異なっていても、目的すなわち答えは一つであるということわざ。

あらゆる業界における考え方にそのまま応用できるようなことわざでもあります。

通じない手段であれば、「やるべきではないこと」という捉え方もできるため、ビジネスマンほど頭の片隅においておくべき一言かもしれません。

この言葉も、17世紀のフランスの詩人である、ラ・フォンティーヌが書いた『裁判官と修道士と隠者』にある言葉の「All roads lead to Rome.」に基づいて出典されているものです。

イタリアの地名が出てくる名言、ことわざについては”イタリアの素晴らしさ”を人に絡めた他国の文豪が残したものが多いものです。しかし、それだけ魅力を伝えてくる街であったことが伺い知ることができます。

人に重きを置いて自分を大切にすること

様々なことわざがあり、今回はその一部だけ抜粋してご紹介しました。

ただいずれも「人をしっかり見ること」と「自分を大事にすること」に重点がおかれていることがわかります。

ビジネスやプライベート問わず、一つの”参考”としてもイタリアのことわざを覚えておくことも人生をより鮮やかにするきっかけにつながるかもしれません。

<参考>

ネットでイタリア語「イタリアのことわざ」

<こちらもお読みください>

イタリア料理のレストランの呼び名と中身

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