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ITALIA DESIGN BLOG
2021.04.27 [tue]
イタリア美術は古代から現在にかけて、非常に優れた美術の国です。
世界中でその認識は変わりません。
服飾のブランドを含め、アートの最先端を走り続けている国イタリア。
そんなイタリアの美術に触れて、まずは”古きを知る”ところから見識を広げてみましょう。
イタリア好きなら一度は行ってみたい美術館の代表を5つご紹介します。
ヴェネツィアの運河、カナル・グランデ沿いにある美術館です。
(ソロモン・R・グッゲンハイム財団)
鉱業にて生計を立てていたソロモン・R・グッゲンハイムの姪っ子、ペギー・グッゲンハイムが収集してきた20世紀前半美術のコレクションで構成されている美術館。
キュビスム・未来派・シュルレアリスムなどの作品が多くあります。
18世紀に建設された邸宅をペギー・グッゲンハイムが購入、住まいとなっていましたが、死後に1980年から美術館として公開されるようになっています。
ペギー・グッゲンハイムはイタリアの画家、エドモンド・バッシとタンクレディ・パームギア二をサポートしたり、才能のある若手率先してサポートするなど先見の明が突出した人物でもあるのです。
そんな彼女の見出した作品を見ることができるのは、まさにこのペギー・グッゲンハイム・コレクションだけでしょう。
ローマの7つの丘のひとつ、カピトリーノの丘の上に建造された美術館です。
一般市民に公開された美術館としては、世界で最古のものと言われています。
1734年にクレメンス12世の時代に、一般公開された美術館ではあるのですが、美術館としての歴史だけでもかなり古いもの。
1471年、教皇シクストゥス4世が当時ラテラノ宮から、古代ローマのブロンズ像などをローマ市民に寄付したところから始まっています。
現在のカピトリーノ美術館の名物でもある『コンスタンティヌス大帝の巨像の頭部』、『とげを抜く少年』といったものを含めた作品がこの時に寄付されたものとなります。
この美術館は、カンピドリオ広場に面しており、広場正面の市庁舎をはさむように、コンセルヴァトーリ美術館とカピトリーノ美術館の2つがあります。
この2つに分かれている建物の総称としてカピトリーノ美術館と呼ばれています。
ちなみにカンピドリオ広場は16世紀半ばにミケランジェロの設計で整備されたものです。
コンセルヴァトーリ美術館には先の、『コンスタンティヌス大帝の頭部』、『とげを抜く少年』などの古代ローマ・エトルリアなどの彫刻やルネサンス・バロック期のイタリア絵画が展示されています。
また、反対のカピトリーノ美術館には”ローマン・コピー”とも呼ばれている古代ギリシャ彫刻のローマ時代の模作が展示されており、『マルクス・アウレリウス騎馬像』のオリジナルも見ることができます。
足を踏み入れるまえから、周りきる最後まで楽しみ続けることができる美術館でもあります。
ローマのボルゲーゼ公園の一画に立てられている美術館。
シエナ出身で教皇パウルス5世を出した名門貴族、ボルゲーゼ家の収集作品を見ることができます。
この建物自体は、1616年シピオーネ・ボルゲーゼの夏の別荘として建造されたものですが、1903年に美術館として公開されました。
ルネサンス・バロック期のイタリア美術の優れた作品が展示されており、1階は彫刻作品、2階には絵画が展示されています。
19世紀初頭にはナポレオン・ボナパルト関連の騒動で、当時の多数の作品をルーブル美術館へ移されてしまうなど歴史的にも残念な騒動があるなど、別の観点からも大変興味深い美術館でもあります。
イタリアのフィレンツェにある美術館です。
1591年から公開されており、ルネサンス絵画でも有名。
近代式の美術館としてヨーロッパ最古のものでもあります。
イタリア国内では最大級の展示品数で、1982年には世界遺産として認定までされています。
初代トスカーナ大公コジモ1世の時代に、ジョルジョ・ヴァザーリ設計の元で建築され1580年に竣工したフィレンツェ行政の事務所がもととなった建物です。
ウフィツィという名も実際にイタリア語の Ufficio (英語の offices (オフィス) にあたる語)からきており、コジモ1世がばらけていたフィレンツツェ行政の事務所をひとつにまとめたものでした。
美術館として公開されはじめたのは、1769年。
イタリア・ルネサンス絵画の展示数が膨大であることが特徴であり、その展示物は2500点。
ゴシック・バロック・ロココなどの絵画が系統別に公開されています。
2008年には、日本人版画家・浜田知明の代表作『初年兵哀歌』他、銅版画19点が展示、収蔵されました。これは日本人版画家として初の功績でした。
イタリアのフィレンツェにあり、フィレンツェ美術学校の美術館です。
ダヴィデ像、ミケランジェロ作の彫刻を展示していることでも有名ですね。
13世紀から16世紀におけるフィレンツェ派絵画やメディチ家の古典楽器などが展示されています。
19世紀に公開されるようになるまでは、美術学校として新進気鋭のアーティストの育成機関でもあったため、収集量もかなりのものになっています。
旧約聖書などになぞらえた作品が多数展示されていることもあり、ヨーロッパにおける宗教的概念について事前に知っておくとより楽しく見ることができるのではないでしょうか。
イタリアまで旅立つことが難しい場合には、国内の美術館をめぐってみることもおすすめします。
1959年に印象派などのヨーロッパ美術作品を集めた「松方コレクション」を元に設立された美術館です。
元々は実業家松方幸次郎がフランスで収集した美術品が第二次大戦以降フランス政府により差し押さえられていたのですが、日本へコレクションを寄贈返還される条件として建てられたものでもあります。
2007年には国の重要文化財に指定されました。
中世末期・ルネサンス期から20世紀はじめまで西洋絵画・彫刻作品の収集が進んでおり、常設展示されています。
ヨーロッパの18世紀以前の画家たちの作品を楽しむことができる、日本有数の存在でもあります。
「西美(せいび)」の略称で呼ばれたりしています。
ジョルジョ・ヴァザーリや、ティントレットなどの絵画も展示されています。
◎国立西洋美術館 公式サイトhttps://www.nmwa.go.jp/jp/index.html
株式会社コメリの創業者である捧賢一が創設した美術館。
純和風の館内で、畳敷きの展示室が特徴。
マイセンの部屋とシャガールの部屋があり、館内喫茶室ではマイセンのカップでコーヒーが飲めます。
芸術家の育成に力を入れており、若手作家の育成を目的とした全国絵画公募展「雪梁舎フィレンツェ賞展」を毎年開いてもいます。
2014年には、雪梁舎美術館とイタリアの国立フィレンツェ美術アカデミアが提携し、アカデミアでの特別聴講が認められました。
良いものを知ることで、良いものを生み出すことができる。
知らなかった世界、知っていたけどさらに理解を深めた世界、様々な表し方を目にすることはとても大事です。
先人の洗練された作品を覗いてみれば、新しい感性の発掘につながっていくかもしれません。
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