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ITALIA DESIGN BLOG
2022.06.06 [mon]
バカンスが大好きなイタリア人。
彼らはそのために働いているといっても過言ではないでしょう。
この6月から学校は長期休暇に入り、
職場では「今年の夏はどこへ行くの?」といった会話をよくします。
皆さんはもう夏の予定は立てましたか?
今回はイタリア人の「バカンス」の過ごし方と、
筆者がおすすめする「南イタリア」の素敵な観光スポットをご紹介いたします。
この記事の目次:クリックで移動
筆者が初めてイタリアに訪れたのは夏。
バカンスハイシーズンの7月〜8月頃でした。
有名な観光地は外国人旅行者でごった返し、
「地元のイタリア人は一体どこへ?」というような状況でした。
北部から徐々に南下し、かの有名なアマルフィへ行くと・・・
いたいたイタリア人!
一面に張られたビーチパラソル。
浜辺ではしゃぐ水着のマダムたち。
岩場で黙々と釣りをするおじさま方。
老若男女問わず、それぞれが自然の中で存分に夏を楽しむ姿に、
こちらまで清々しい気持ちになったことを覚えています。
余談はさておき、
日本ではゴールデンウィークや年末年始に仕事を休める人が多いと思います。
イタリアでは3週間〜長くて1ヵ月、休暇を取ります。
家庭にもよりますが、最低でも1週間ほど家を離れてバカンスに出かけ、
家族や親戚とゆったり過ごします。
そして、イタリア人は海が大好きです。
特に南イタリアはバカンスに人気で、国内だけでなく他のヨーロッパからも多くの人が訪れます。
また足を延ばしてギリシャやスペイン、ポルトガルなどを訪れる人もいます。
“Prendere il sole.”
(英訳すると“Taking the sun”)
このような言葉があるくらい、イタリア人は太陽を存分に「浴び」ます。
海の近くに住んでいる人は、6月頃から日焼けをしに海岸で過ごします。
公園や家のバルコニーで日焼けをしている人もいるぐらいです。
「美白大国」の日本では、紫外線対策をすることが一般的ですが、
イタリア人には恐らく理解できない行動でしょう…。
イタリアでは焼けた小麦肌は魅力的だと考える人もいて、
なおかつ、昔からバカンスを楽しむ余裕がある豊かさの「象徴」でもありました。
そういえば筆者が訪れた時には、数名のヌーディストの方もいてびっくりしましたが、
ヨーロッパではごく自然なことのようです。
みんな他人から見られることなんて、ちっとも気にしていません。
お腹が出ようがなんだろうが、誰にも迷惑はかけませんからね。
皆さんは「南イタリア」にどんなイメージをお持ちですか?
筆者は「太陽・海・風」です。
これらを間近に感じられる、開放感溢れる場所だと思います。
夏は突き抜けるような青空に、燦々と太陽の光が降り注ぎます。
8月は30度を超える地域もあり、日本と同様とても暑いです。
でも汗をかいても、湿気が少ないのでカラッとしています。
こういった気候のおかげか、なんだか気持ちまで晴ればれしてくるのです。
筆者は学生時代に南イタリアの「サレルノ(Salerno)」でホームステイをしていたのですが、
地元の人はよく、夕方に海岸沿いを散歩していました。
沈む太陽を見ながら、風を感じて歩く。家族や恋人・友人とおしゃべりする。
シンプルですが、いい時間の使い方だと感じました。
こんな大らかで魅力的な南イタリアに、あなたも行ってみたくなりませんか?
筆者の現地レポートも含め、代表的なおすすめスポットをご紹介いたします!
①アマルフィ(Amalfi)
ソレント(Sorrento)からサレルノまでの海岸線を「アマルフィ海岸(Costiera Amalfitana)」と呼び、
その中でも観光の中心地となるのがこのアマルフィ(Amalfi)です。
日本でもあまりに有名ですが、やはりイタリアのバカンスを語る上で外せない場所です。
この土地を一言で表すとまさに「楽園」。
岸壁に建つカラフルな家々と、海の青色のコントラストが本当に美しかったです。
イタリアだけでなく、ヨーロッパ中からこの魅力に憑りつかれた人々がやってきます。
街の中心にある大聖堂は様々な様式が取り入れられ、
アラブのエキゾチックな雰囲気が漂っています。
街を奥に進むと、どんどん道が細くなっていき、まるで迷路のよう。
徐々に坂道を上っていき、気づけば辺り一面を見渡せるほどの高台に出ます。
どこまでも青く輝く地中海に、きっとあなたも感動されることでしょう。
雄大な景色を眺めた後は、ちょっとひと休み。
レストランで地元の海鮮料理を食べるのはいかがでしょうか。
食後にはリモンチェッロやレモンのグラニータをお忘れなく。
お土産にはレモンの特産品だけでなく、レターセットやノートなどの紙製品もおすすめです。
製紙技術はかつて中国よりアラブへ、
12世紀〜13世紀にかけてヨーロッパで初めてアマルフィに伝わりました。
18世紀末には最盛期を迎え、ヨーロッパ各地から芸術家や詩人たちが紙を求めて集まってきました。
残念ながら、1954年の洪水でほとんどの製紙工場は破壊されましたが、
今でもバチカンの公文書や重要なイベントで、アマルフィの紙が使われています。
筆者もお土産に購入しましたが、柔らかな風合いがとても素敵でした。
②カプリ島(Isola di Capri)
かつて歴代のローマ皇帝たちも愛したカプリ島(Isola di Capri)。
昔からこの島は高級リゾート地でした。
アクセスはナポリより高速船で40分程です。
どこまでも続く雄大な海を眺めていると、目の前にぽっかりと大きな島が現れます。
岸壁に点在する真っ白な家々。
美しい街並みに思わず笑みがこぼれました。
日本でも「青の洞窟(Grotta Azzurra)」で知名度がありますよね。
筆者が訪れた際は幸い天候にも恵まれて、無事に洞窟へ入ることができました。
「カプリ・ブルー」とも言われるこの鮮やかな色。
「こんな色、生まれて初めて見た。」と心から感動しました。
船頭のおじさまが小舟を漕ぎながら「オーソレミオ(‘O sole mio)」を高らかに歌い上げてくれます。
とても神秘的で、この世にいるとは思えないような別世界でした。
街中の雰囲気は一変して、とても賑やかでした。
高級ブティックが軒を連ねる「カメレッレ通り(Via Camerelle)」は優美な空気感が溢れています。
当時学生だった筆者は、尻込みしてお店に入る勇気がありませんでしたが・・・後悔。
カプリ島限定の品々が販売されているそうですよ。
皆さんにぜひ訪れていただきたいのは、「アウグスト庭園(Giardini di Augusto)」です。
中心街から徒歩で10分程、豊かな木々や花々が咲き乱れる庭園を通り抜けると・・・
そこには真っ青な世界が待っています。
「Che meraviglia…!(なんと美しい…!)」
というイタリア語はカプリ島で覚えました。
庭園から海を見下ろすと、何十隻にも及ぶクルーザーが止まっていましたが、
世界中の人がこの地を憧れる理由がわかる気がしました。
④シチリア(Sicilia)
地中海最大の島シチリア(Sicilia)。
実は、筆者もまだ未踏の地なのです。
これまでイタリア好きの先輩方より魅力的な話を聞いており、憧れが募るばかりです。
「文明の十字路」という別名があるこの島は、昔から多くの民族に支配されてきた歴史があり、
様々な文化が混在してますす。
日本では映画『ゴッド・ファーザー』の舞台として有名な島ですが、
同じシチリアでも地域によって様々な顔があります。
州都のパレルモ(Palermo)は、アラブ・ノルマン王朝の時代の栄華を感じられる場所です。
市場を巡って地元の人との触れ合い、ローカルフードに舌鼓を打つのもいいですね。
シチリア第二の都市カターニア(Catania)では、
ヨーロッパ最大の活火山「エトナ(Monte Etna)」の恵みを感じることができます。
ここの土壌は火山の影響でミネラル分が多く含まれており、ワインやピスタチオの生産が盛んです。
カターニアから車で1時間程北上すると、タオルミーナ(Taormina)に着きます。
ぜひ次の動画をご覧ください。とても風光明媚な場所だと思いませんか?
エトナ山とイオニア海(Mar Ionio)を望む、ギリシャ劇場や市民公園からの眺めは最高です。
自然保護区であるベッラ島(Isola Bella)をはじめ、数多くのビーチもあります。
南東部沿岸にあるシラクーサ(Siracusa)はギリシャ・ローマ時代の遺跡が残る美しい街です。
ここは、ジュゼッペ・トルナトーレ監督の映画、『マレーナ』のロケ地です。
劇中にモニカ・ベルッチが淡々と旧市街を歩くシーンがありますが、
彼女の美貌と街並みの美しさが相まってとても印象的でした。
また、この地域は世界最高品質のアーモンドが作られており、イタリア国内でも手に入れるのが難しいとか。
お菓子だけでなく、ペースト状にしてパスタソースとしても使われます。
南西部の街アグリジェント(Agrigento)は、
古代ギリシャ神殿遺跡群やヘレニズム、ローマ都市遺跡群が広がっています。
以前、筆者もドキュメンタリー番組で空撮映像を観たのですが、まるで異世界でした。
島の西側はアフリカに近いため、どこのレストランでも「クスクス」を使った料理があります。
しっかり煮込んだ魚介のスープをかけると・・・格別のお味だそうです。
トラーパニ(Trapani)という街では、風車が回る塩田風景を見ることができます。
ここは古代より良質な塩を生産し続けており、ミネラル豊富で口当たりの良い味が特徴です。
見どころ満載のシチリアでしたが、今回ご紹介したのはほんの一部です!
筆者も将来訪れる際には、1週間ほど滞在し島内をじっくり回りたいと思います。
⑤サルデーニャ(Sardegna)
透明度の高いビーチがたくさん点在しており、日常を忘れてゆったりと過ごすことができます。
ローマから飛行機で30分程で訪れることができます。
東海岸の「コスタ・スメラルダ(エメラルド海岸)」は世界屈指の高級リゾート地として有名で、
多くの著名人も別荘を所有しています。
北東沖に浮かぶ「ラ・マッダレーナ諸島(Arcipelago di La Maddalena)」では、
島々をボートツアーで巡り、海水浴を楽しむことができます。
筆者が行ってみたいのは、島の中央部にある「ジャーラ公園(Parco della Giara)」です。
素敵な穴場で、筆者は日本人向けのガイドブックに掲載されているところを見たことがありません。
南部にある州都のカリアリ(Cagliari)から車で1時間ほどで行けて、トレッキングが楽しめます。
ここでは700頭もの野生の馬が生息しており、自然の中で生きる姿を見られます。
公園内にある沼地は野生動物にとって貴重な水源で、水面に映る木々や空の様子がとても綺麗だとのことです。
そもそもサルデーニャはイタリア本土から孤立しており、
古代から独自の文化が脈々と受け継がれて今に至ります。
島の至る所には「ヌラーゲ文明」の遺跡が数多く残っています。
石を積み重ねられてできた巨大な建造物「ヌラーゲ」が7000以上もあり、未だに多くの謎に包まれています。
また島の高地・山岳地帯と、南部の平野部では自然環境が異なるため、
それぞれの文化や人の営みを感じることができます。
ところで日本では珍しいサルデーニャ料理は、新鮮な素材の味を活かしていることが特徴です。
また海の幸だけでなく、羊肉や子豚など肉類もよく食べられます。
唯一、筆者の地元のスーパーでも手に入れられる「ペコリーノチーズ(ペコリーノ・ロマーノ)」。
実はほとんどがサルデーニャで作られており、今でも放羊が人々の生活の基盤となっています。
動画をご覧になった方はお分かりのように、「絶景」です。
「言葉にならない美しさ」とは、まさにこのことでしょう。
⑤その他のおすすめ地域
魅力的なバカンススポットは他にもたくさんあります。
イタリア国内でも人気上昇中である、南イタリア「プーリア州(Puglia)」の
サレント半島(Salento)やガルガーノ半島(Gargano)はいかがでしょうか。
エミリア・ロマーニャ州のリミニ(Rimini)や、
トスカーナ州の「フォルテ・デイ・マルミ(Forte dei Marmi)」でも、
ビーチリゾートを存分に楽しむことができます。
また北イタリアの湖水地方を巡って、湖畔に点在するヴィラ(邸宅)や庭園を観光するのもいいですね。
「山派」という方には、ドロミテ山塊(ドロミーティ/Dolomiti)がおすすめです。
初心者からベテランまで、ハイキングやトレッキングで壮大な景色を堪能していただけるでしょう。
今回はイタリア人の「バカンス」の過ごし方や、
イタリア人にも人気のバカンス地、「南イタリア」をご紹介いたしました。
いずれにしても、彼らは「計画を練って忙しく観光地を回る」ということをあまりしません。
大切な人と穏やかにバカンスを共にし、1年の英気を養うのです。
個人的にもイタリア人を見ていて思うのは、
与えられた人生を楽しむことがとても上手だということです。
また、仕事に対する考え方、家族や自分の暮らしを大切にする姿勢は
我々日本人も学ぶ点が多そうです。
皆さんも、今年の夏はイタリア人のように過ごしませんか?
〈参考文献・サイト〉
◇地球の歩き方編集室.『地球の歩き方 南イタリアとシチリア』.ダイヤモンド社、ダイヤモンド・ビッグ社.2020年
◇陣内秀信、柳瀬有志.『地中海の聖なる島 サルデーニャ』.山川出版社.2004年
◇Giovanni Piliarvu.『NHKラジオ 毎日イタリア語』より「とっておきのサルデーニャ島」P.108~109ページ.NHK出版.2022年